「アブザンミラーにおいて、4Tに包囲サイを出すとテンポを失う」

そんなことを考えるようになってから、俺のゲームの勝率は上がったと思っている

それが結果として実ったのが、3度にもわたるアブザンアグロミラーを全勝してRPTQの権利を勝ち取った先月のPPTQ(http://mtg1919takuwa.diarynote.jp/201509222029357377/)だった

同じようなカードで構成された、同じようなデッキ

俺はとにかく、「テンポ」と名がついた『試合の主導権』を渡さないことを意識して戦えていたんだ



冒頭から偉そうに自慢めいたことを垂れ流して恐縮やけど、中身はそんな大した考えじゃない

少し慣れたプレイヤーの方なら「なんだそんなことか」と鼻で笑うような話だ

今回は、そんなしょーもないけど、でも大切なこと、それを「備忘録」として文字に起こしておく



何故「4Tに包囲サイを出すとテンポを失う」のか

THS-KTK時代の話で申し訳ないが、例えばこんな場面を想像して欲しい


あなたのデッキはハンガーバックアブザン。リストは一般的なものと思っていただいて構わない

相手もどうやらアブザン系。ミラーマッチだ

先攻をとったあなたは、序盤の展開こそ薄いものの、土地事故の心配がなく除去と生物のバランスのとれた初手をキープ

相手もどうやら早いターンの行動はなかったようで、互いに土地を3枚ずつ並べあい、最初の3Tが終わった。


そして迎えた、あなたの4T


「よし!こちらも歩行機械やアナフェンザを引けてなかったけど、相手も立ち上がりがゆっくりでよかった!さあ、ここでサイを出してここから攻勢に出るぞ!こちらが先にクロックを出せるから、試合の主導権はこちら側だ!」



……というのは、残念ながら限りなく悪手に近い一手だ



それは何故か



それは、相手が起きている3マナでサイを除去してくることが想定されるからだ

4T、こちらがフルタップでサイを出したそのターンエンドに、相手もフルタップでアブザンチャームや英雄の破滅を撃ってくるだろう


そのままターンが終われば、今度は相手の4Tに包囲サイが出てくるに違いない

となれば、こちらも手札のアブチャか英雄の破滅で……といきたいところだが、残念ながら貴方は直前の自分のターンでサイを出すために土地をフルタップしてしまっている


つまり、貴方は次の自分のターンで「相手の包囲サイへ対処するか」「こちらもクロックを出し返すか」という不自由な2択を迫られることになる


これはどちらを選んでも裏目がある

相手のサイへ対処しても、また返しに次のクロックを出されてしまっては、次もまたその対処に追われる。ジリ貧だ

かといって、こちらもクロックを出し返しても、そのクロックを除去されてしまうと、放置したサイに殴られて、ライフを失う


こちらが先攻で、しかもこちらが先に脅威を展開したにもかかわらず、気がつけば相手への対処を迫られてしまっている

よく言われる「先手と後手が入れ替わる」というのは、まさにこのような状況のことを指すのだろう



もちろん、これはあくまでも考え方の1つに過ぎず、この内容をそのまま鵜呑みにして「アブザンミラーでは4Tに包囲サイを出してはいけない」ということを決め事にしてしまうのは、それはそれで危ない

そもそも、こちらのサイがすぐに対処されるとも限らない。相手が返しですぐにサイを出してくるとも限らない



だが、環境のメタゲームが煮詰まってきて、互いに互いの行動がある程度想定出来るようになると、細かいテンポのやり取りの積み重ねが、そのまま『試合の主導権』へ直結しやすい



今はもう『英雄の破滅』は環境に存在しないが、『アブザンの魔除け』や『はじける破滅』あたりは見かけることが多い

4Tに包囲サイを唱える時は、常にこれらのカードの存在は意識して、テンポを失うリスクを考えておくべきだ



また、ここのところ一気に株を上げている『ゼンティカーの同盟者、ギデオン』

先攻4Tに、0能力でトークンを出したこのカードから、テンポを奪うのは相当に難しい

ダークジェスカイだと、ターンエンドにはじける破滅でトークンを処理しながら2点を与えた後、返しのターンでカマキリを走らせると一番キレイか

アブザンだと、返しにサイを出してもブロックにいけないし、ギデオンを出し返しても次のターンに5/5と2/2トークンで殴ってくるため、ギデオンを守るためにトークンで相手のギデオンをチャンプさぜるを得ない

破滅の道で落してもトークンは残るため、殴られた挙句にロック強襲なんてことになりかねない


今、ギデオンが評価されているのは、ギデオンはとにかくテンポを失いにくいことも理由の一つだろう





ちょっと話が逸れたけど、こんな長文ダラダラ書いて、何が言いたかったかっていえば



覚醒とか付けなくていいから英雄の破滅返せやコラ!!!!!

コメント

nophoto
のんたん
2015年10月17日23:07

たくわさんブログ更新お疲れ様です。のんたんです。

いつもプレイングの参考になる記事ありがとうございます!

理論だけで考えれば4ターン目にサイを唱えるのが一番強いはずなのですが、それがセオリー通りにいかないのは面白いですね。

MTGってゲームは相手のハンド、マナ、カードプールを想定して行う必要があると改めて考えさせられます。

たくわ
2015年10月18日8:07

>>のんたんさん

いつもコメントありがとうございます!
駄文ばっかりですが、これからもよろしくお願いしますw

そうですねー。環境でどんなカードが使われてるのか、その理解が深まってくると考えなきゃいけないことが増えますよねー。
私もついつい手なりでプレイしてしまうことが多いのですが、しっかり一手一手を考えてプレイしたいですね

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